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豊かな感性が育つお話絵本 おはなしひかりのくに
3月号 ちいさな ふねくん

対象年齢 012345

現代を代表する作家・画家の書き下ろし創作絵本。季節の話、昔話、ユーモア話、ファンタジーなど、バラエティーに富んだラインナップです。

AB判 36 ページ
定価430円(本体391円)

今月の作者インタビュー

あらすじ

小さな船のふねくん。大きな海に出て、たくさん楽しいものと出会います。
そして最後は…? 胸が温かくなるお話です。

おはなしひかりのくに 3月号 作家
長井理佳 先生

Q1. 「たっぷんとっぷん たっぷんとっぷん」など、歌うようなリズムが印象的なおはなしでした。書かれる際にはどんなことに気を配られましたか?
A1.  子どもの記憶に自然に残るようなリズムを心がけました。でも、あまりきっちりしすぎないように、あくまでもおはなし優先にバランスをとっています。
Q2. ささきみお先生の絵をご覧になって、いかがでしたか?
A2.  冒頭のシーンから、ふねくんはもうわくわく待ち切れないような顔をしていて、子どもたちもここからふねくんといっしょに冒険をはじめるんですよね。私もそんな気持ちでページをめくりました! 特にくじらのお母さんに助けられた時のうれしそうな顔にほっとしました。場面ごとの色の変化もすてきで、最後にどうぶつたちが塗ってくれたピンク色の優しさ、温かさにとても感動しました。ふねくんのいる世界をこんなにも豊かに描いて頂き感謝しています。
Q3. 長井先生は歌の作詞などもされています。絵本を書くときと詩や歌詞を書くときでは、違うところはありますか?
A3.  歌の言葉の方が、素の自分自身が投影されるようです。引っ込み思案な自分、思っているけど言えない気持ちなど。逆に、元気いっぱい!な歌詞がなかなか書けなくて。そういう子どもだったからかな? 絵本やおはなしでは、キャラクターに力を借りて、もう少し自分を解放しているかも。どちらの作業もとても好きです。
Q4. 幼い頃の体験が、創作につながっている面はありますか?
A4.  野外でひとり遊びをしていた経験が核になっているかもしれません。地面にごく近いところで虫や植物とたわむれていた、幼い頃の五感が役立っています。同時に、お腹の底から笑ったことや、寂しかったことなども。もう一つ、父がおはなしの本を惜しみなく与えてくれたので、浜田廣介さん、石井桃子さんなど、その頃親しんだ文章のリズムが体に馴染んでいて、今の自分を助けてくれています。

おはなしひかりのくに 3月号 画家
ささきみお 先生

Q1. 幼い子どもに向けた創作をされる際に、特に心がけていることはありますか?
A1.  心がけていることをあらためて考えてみたら、一番はじめに浮かんだのは主人公、登場するまわりの人や生き物、ハンカチや靴下なども丁寧に表現することかなと思います(丁寧に描けていないことも多いですが…)。それぞれ自分のいる立場で精一杯やっている。それは子どもたちにもお伝えしたいしいつもそんな気持ちを大切に表現していけたらいいなと思っています。
Q2. 海のシーンが多かったですが、実際の海での体験が活かされていたりしますか?
A2.  父が海辺出身のため幼少期よく海で遊ばせてもらったのでその体験は役に立っているかもしれません。広々とした砂浜で泳ぐというより、ごつごつした岩場にもぐって魚や生き物を見たり獲ったりする遊び方です。岩場は波が荒いので流されそうになって必死に泳いだこと。波で岩にぶつけられると痛かったこと、あちこち切ったり、くらげに刺されたり。海の雰囲気やにおい、塩水の感触など、画面にはうまく現れていないかもしれませんが海を描かせて頂く時はいつも心の中にある感覚です。
Q3. ふねくんに連れていってもらいたい場所はありますか?
A3.  わくわくするご質問有り難うございます! 沢山旅をしてきたふねくん。もし良かったらお弁当と水筒を持ってふねくんに乗せてもらってふねくんのお気に入りの場所にあちこち連れて行ってもらいたいです。行く先々でふねくんのお友達に会えそうですよね。そしてふねくんに揺られながら、お友達と過ごした時の思い出話をのんびり聞かせて欲しいです。新しいお友達もできるかもしれませんね。
Q4. 絵を描かれる際、『作業のおとも』は何かありますか?
A4.  近頃の絵を描く時の作業のおともは、内容がよくわからない程度の人の声です。そのくらいの声が聞こえると長時間集中できるようです。なんだか安心感もあります。今はYouTubeで画面は伏せて音だけにして怪談話や朗読などをよく聞いています。内容はほとんど頭に残りませんが低い調子の語りが心地よく、大変有り難いです。

※このページで取り上げた絵本は書店では取り扱っておりません。

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