豊かな感性が育つお話絵本
おはなしひかりのくに
4月号 にこくまさんと あま〜い はるの おくりもの
対象年齢 012345
現代を代表する作家・画家の書き下ろし創作絵本。季節の話、昔話、ユーモア話、ファンタジーなど、バラエティーに富んだラインナップです。
AB判 36 ページ
定価430円(本体391円)
今月の作者インタビュー
あらすじ
にこくまさんの畑にお花がたくさん咲きました。
そこへみつばちさん達がやってきて…。春の贈り物、なんでしょう?
おはなしひかりのくに 4月号 作家
すとうあさえ 先生
- Q1.
にこくまさんと子どもたちが、おいしいはちみつの作り手であるみつばちさんと交流するお話でした。
すとう先生は、以前に養蜂の見学をされたそうですね。その頃から構想をされていたのでしょうか。
- A1.
特にお話にしようと思っていたわけではないのですが、今回、にこくまさんのお話を考えながら、見学に行った時のことを思い出しました。スタッフの人がミツバチを「この子」と呼んでいたり、地面におりているミツバチを踏まれないように手に乗せて巣箱に移していたり、ミツバチのおかげでお稲荷さんのお供えを食べにくるカラスが減ったとか、近隣に花を植える人が多くなったとか話してくれたな、などなど。そのおかげでミツバチを友だちのように思いながら、お話を考えることができました。
- Q2.
のし先生の絵を見られたご感想はいかがですか?
- A2.
いつも、のしさんの絵を楽しみにしているのですが、今回びっくりしたのは、ミツバチたちの家の場面。1匹1匹がとても楽しそうに仕事をしているし、あらまあ、幼虫さんたちにミルクをあげてるし。全体がはちみつ色で、羽根の音や匂いまで伝わってくるようで、すてきです。
- Q3.
歌うような、やさしい言葉で語られています。お話の文章を書かれるときや、子どもたちに話しかけるとき、何か心がけておられることはありますか。
- A3.
小さな人たちのお話は、詩を創るような感覚で考えます。そして文章を書いたら、何度も声に出して読みます。難しい言葉があるかな、文章にリズムがあるかな、オノマトペはこれでいいかな……など。お話全体を確認するようにしています。
- Q4.
はちみつや、みつばちに関するエピソードや、思い入れなどがあれば教えてください。
- A4.
私は白湯にハチミツを溶かして飲むのが好きです。母が好きだったので、自然に私も飲むようになりました。体が温まるし、疲れたなと感じた時に飲むと、なんとなく効果があるような気がします。あくまで自分の感覚ですけど、よかったら試してみてください。
- Q5.
せっせと蜜を集めるみつばちたちのように、先生も何か集めておられるものはありますか?
- A5.
私は柴犬が好きなので、柴犬の封筒便箋、小物などを見つけるとすぐに買ってしまいます。うちには、「ガチャ」で手に入れた小さな柴犬くんたちがたくさんいます。本物の柴犬くんも、一匹います。
- Q6.
すとう先生のお好きな花を教えてください。
- A6.
シャクヤクです。フワッとしたやさしい感じが好きです。それから、おばあちゃんの家の庭にどっさり咲いていたオシロイバナも好きです。花を絞って色水遊びをしたり、種の中の粉を集めて顔に塗ったりして遊びました。
- Q7.
野菜作り、節分、春探し…にこくまさんたちはいつも季節をいっぱいに楽しんでいます。
にこくまさんと子どもたちに、体験してもらいたいお楽しみはありますか?
- A7.
お月見ですね。にこくまさんたちの住んでいるところは、夜は真っ暗なので、お月見の日は満月の明かりでとても明るいのです。月明かりの中、五感を研ぎ澄まして、ドキドキ、ワクワクな体験をしてほしいです。
- Q8.
この絵本を読み聞かせされる先生や保護者の方にメッセージをお願いします。
- A8.
春ですから、野の花を摘んだり、遊んだり、ミツバチの姿を見かけたりすると思います。絵本のなかの世界を実際の生活でも体験しながら、季節を、そしてお話を、楽しんでいただけたらうれしいです。もちろん、ハチミツをたっぷりかけたホットケーキも、忘れずに!
おはなしひかりのくに 4月号 画家
のしさやか 先生
- Q1.
濃密な春の景色とおいしそうな食べ物を、いきいきと描いてくださいました。描いていて楽しかった、苦心したなど、思い入れのある場面はありますか?
- A1.
楽しくもあり、大変でもあったのがみつばちの巣の場面。本来の巣の構造を守りつつ、いろいろな個性のハチをいきいき描きたかったので、矛盾がないよう、でも説明的にならないように頑張りました。絵本を読んでいる幼虫もいますよ。
- Q2.
にこくまさんシリーズは4冊目です。それぞれのキャラクターへの愛着や、「実は…」という思いはありますか?
- A2.
当初から「にこくまさんは、一人暮らしなんだろうか」「仕事は何をしているんだろうか」と考えていました。実は…と勝手に設定したものはありますが、秘密にしておこうと思います。家の中の写真に、私だけの設定のヒントを忍び込ませています。
- Q3.
乾きの速さと重ね塗りのしやすさから、アクリル絵の具を愛用されているとお聞きしました。筆や紙には、こだわりはありますか?
- A3.
紙は凹凸がありすぎず、なさすぎずの水彩画紙にジェッソを薄く塗って使っています。以前使っていた水彩紙が廃番になり、焦ったことがあったので、いくつか候補を確保しておかないといけないな、と思いました。筆は、日本画用の筆が描き心地がいいので使っていますが、強めに塗り込みたいときは油絵用の筆も使います。まだまだ模索中です。
- Q4.
作中の食べ物が本当においしそうです。何かこつや秘密があるのでしょうか。
- A4.
実物を知っていないと「らしさ」が出せないので、実物を目の前にします。知っているものでも見た目以外に、味、におい、質感などを味わい直してから描いています。読者のみなさんに五感で楽しんでもらえたらうれしいです。
- Q5.
せっせと蜜を集めるみつばちたちのように、先生も何か集めておられるものはありますか?
- A5.
学生の頃、ご当地耳かき集めをしていました。どこのお土産店でも必ず名所や名物が取り付けられた耳かきが売っていて、おもしろかったです。お土産にもらうことも多く、たくさん集まりすぎてやめてしまいましたが、今見ても楽しいコレクションです。
- Q6.
作中の花がとてもきれいでした。のし先生のお好きな花はなんですか?
- A6.
花はいろいろ好きですが、びっくりさせられた花は御衣黄桜(ギョイコウサクラ)です。桜といえば薄い濃いはあれどピンクが一般的ですが、御衣黄桜は、なんと花びらが緑色。もともと好きな色が緑なので、まさか緑の桜があるだなんて、と感激しました。近くに木があることを数年前に知ってからは、ピンクの桜より少し遅れての開花を楽しみにしています。
- Q7.
野菜作り、節分、春探し…にこくまさんたちはいつも季節をいっぱいに楽しんでいます。にこくまさんと子どもたちに、体験してもらいたいお楽しみはありますか?
- A7.
野原や山、川など内陸系の活動が多いので、海におでかけしたらどうなるのかな、と気になります。秋のお話もまだないので、秋のお話も楽しいかもしれません。にこくまさんなら秋の味覚を存分にいかしてくれそうです。
- Q8.
この絵本を読み聞かせされる先生や保護者の方にメッセージをお願いします。
- A8.
春のそよ風、ハチミツのあまさ、花の香り…いろんなものが読んでくださる声とともに、聞き手に伝わればいいなと思います。
※このページで取り上げた絵本は書店では取り扱っておりません。
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