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豊かな感性が育つお話絵本 おはなしひかりのくに
8月号 ななつの ほし

対象年齢 012345

現代を代表する作家・画家の書き下ろし創作絵本。季節の話、昔話、ユーモア話、ファンタジーなど、バラエティーに富んだラインナップです。

AB判 36 ページ
定価430円(本体391円)

今月の作者インタビュー

あらすじ

ロシア民話をもとに、トルストイによって書かれたおはなし。
日照りの中、お母さんのためにマーリャは水を探しに出かけます。

おはなしひかりのくに 8月号 画家
いりやまさとし 先生

Q1. 愛らしいキャラクターや美しい自然を、優しいタッチで描いていただきました。描いていて楽しかった、あるいは苦心したなど、思い入れのあるシーンはありますか?
A1.  普段は動物達の絵を描くことが多いので人物に個性を持たせることに苦労しました。特にこのお話では病弱なマーリャのお母さん、訪ねてくる息も絶え絶えな老人、読者の年齢も考えるとあまりシリアスには描けないと思いました。
Q2. パステルという画材を一度粉末にして、紙にこするようにのせて描いておられるとお聞きしました。画材として難しいところ、面白いところをぜひお聞きしたいです。
A2.  私はデジタルを使わずにずっとパステルを使って絵を描いてきました。それだけ私の性分にぴったりな画材だと思っています。せっかちな私は絵の具の様に乾くのを待って次の色を塗っていくという事がとてもストレスになります。その点パステルはぐいぐい色がのせられるし失敗しても練り消しゴムですぐ修正出来ます。短所としてはやはり印刷した時の再現性が他の画材に比べていまいちであることです。(個人的な意見ですが)
Q3. 『ななつのほし』は日照りの中、たった一杯の水を譲り合うことから生まれた奇跡のお話でした。譲る、譲られるで思い出すエピソードなどはありますか?
A3.  趣味でギターを弾く私にとって俗に言うビンテージギターというものは憧れの一つです。古い楽器ってまさに譲り譲られてその音色を伝えていくものではないでしょうか? 何十年もの間に様々な人たちによって弾き継がれてきた楽器というのはやはり歴史の重みを感じます。そして私の持っている楽器もいずれ誰かの手によって奏でられるのかと思うとすこし寂しいような嬉しいような気持ちになります。

おはなしひかりのくに 8月号 作家
織田道代 先生

Q1. ロシアの民話「七つの星(原題『おおくま座』)」を日本の子どもたちのために再話していただきました。逆境に負けないやさしいマーリャの姿が印象的です。どんな思いをこめて書かれましたか?
A1.  世界各地で起こり続ける自然災害、ロシアによるウクライナの侵攻など、私たちを取り巻く環境は常に危険や困難をはらんでいます。そんな中、私たちができることは何かと考える時、マーリャという女の子の存在は大きなヒントを与えてくれていると思いました。どんな時も自分がやれることを勇気をもってやり抜く、そのことこそが大切なのだと教えてもらえた気がします。
Q2. いりやまさとし先生の絵をご覧になっていかがでしたか?
A2.  お話を書き上げた後、いつもどんな絵を描いていただけるのか、ドキドキワクワクします。言葉で描いた世界に色と形が与えられるのは私にとって奇跡といってもいい現象です。今回のいりやまさとし先生の絵は最高でした! 特にマーリャと子犬は思ったとおりでとても嬉しかったです。ありがとうございました。
Q3. 印象的なシーン、お好きなシーンはどこでしょう?
A3.  何といっても、金のひしゃくから七つの何かが飛び出すシーンです。人智を超えた大きな力を感じます。
Q4. 子どもに向けた作品を描かれる際に、意識されていることはありますか?
A4.  子どもの実生活で経験できることは限られています。言葉を紡いで出来上がったお話のひとつひとつが、より多くの豊かな経験をする手助けになっていればいいなぁと秘かに願っています。
Q5. お仕事の息抜きには、どんなことをされますか?
A5.  散歩と、囲碁と、ひょうたん笛です。散歩は上手? にしていますが、あとの二つは全くの<下手の横好き>です。
Q6. 絵本を読み聞かせされる先生や保護者の方にメッセージをお願いします。
A6.  読み聞かせをする人は、子どもたちを別世界に誘う重要な案内人です。素晴らしい役目を担っているのだという喜びをもって、楽しみながら読んでいただけたらいいのではないでしょうか。読み聞かせは、大人に与えられた、こよなく幸福な仕事だと思います。

※このページで取り上げた絵本は書店では取り扱っておりません。

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