豊かな感性が育つお話絵本
おはなしひかりのくに
10月号 かばと わにの いじっぱり
対象年齢 012345
現代を代表する作家・画家の書き下ろし創作絵本。季節の話、昔話、ユーモア話、ファンタジーなど、バラエティーに富んだラインナップです。
AB判 36 ページ
定価430円(本体391円)
今月の作者インタビュー
あらすじ
かばとわにが仲良く暮らしていた池。
雨が降らず干上がってしまったことで、諍いが起こりますが…?
おはなしひかりのくに 10月号 作家/画家
あべはじめ 先生
- Q1.
意地っ張りなかばとわにをユーモアたっぷりに描いていただきました。このお話はどんなふうに思い付かれたのでしょうか。
- A1.
思いついた背景をお話しすると、「えっ! 意外」という反応があると思います。じつは、地球上の壮大な問題なのです。10数年程前に、アマゾン川流域の熱帯雨林が伐採され、焼き畑で農業をやっているニュースが流れました。そこは、地球上の酸素の供給源であることから、世界中の非難をあびました。僕はそのとき、そこに暮らす人たちは、そうしなければ生きてゆけない。それに対して、石油が出る国では、何もしなくても、莫大な利益をあげていたので、矛盾を感じました。その時に、いつか何かの形で、かいてみようと思って、メモっておいたものが、今回のお話のきっかけになりました。簡単な話ではないでしょうが、本当は地球上の財産は、みんなで分け合わなければいけないのでは? 戦争も最初は、持てるものと、持たざるものの『いじのはりあい』から、勃発しているように思います。
- Q2.
描いていて楽しかった、あるいは苦心したなど、思い入れのあるシーンはありますか?
- A2.
Q1に書いた理由で、全体を通して思い入れがあります。
- Q3.
水彩、パステル、線画着彩、スクラッチ絵画などさまざまなタッチをお持ちです。今回はどのような手法で描かれましたか?そのタッチを選ばれた理由もお聞きできればうれしいです。
- A3.
線描きにパソコンで色を入れていきました。僕の中で、テーマが重いものだったので、ナンセンステールなテイストにしたかったのが理由です。
- Q4.
先生の『いじっぱり』エピソード。後書きに書かれた他にも何かありますか?
- A4.
大人になってからは、意地を張り続けると、友人や、その他色々なものをなくしてしまうので、たぶんありません。
- Q5.
今回はかばとわにでしたが、お好きな動物、描きやすい動物は何ですか?
- A5.
ペンギンとゴリラが好きです。
- Q6.
子どもに向けた作品を描かれる際に、大切にされていることはありますか?
- A6.
大人にも、共感されることが大切だと思っています。
- Q7.
小さな頃、どんなお子さんでしたか? その頃から絵を描くことはお好きでしたか?
- A7.
好奇心おうせいでしたが、普通の子だったと思います。絵が、特に好きということはありませんでした。ただ、小学生の時には、いつも金賞に選ばれていたので、得意だったのだと思います。
- Q8.
製作中に欠かせない『お供』は何かありますか? お気に入りの道具でも、食べ物やお楽しみでも…
- A8.
夕方の散歩とサイクリングですね。
- Q9.
子どもたちも園などで描画をします。絵を描くのが楽しくなる秘訣ってあるのでしょうか。
- A9.
他人と比較しないこと。絵を大きく描くこと。
- Q10.
絵本を読み聞かせされる先生や保護者の方にメッセージをお願いします。
- A10.
自分の好きな本を読んでください。そうでないと、子どもたちに何も伝わりません。
※このページで取り上げた絵本は書店では取り扱っておりません。
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