豊かな感性が育つお話絵本
おはなしひかりのくに
6月号 ありんこ ありたの はじめての おつかい
対象年齢 012345
現代を代表する作家・画家の書き下ろし創作絵本。季節の話、昔話、ユーモア話、ファンタジーなど、バラエティーに富んだラインナップです。
AB判 36 ページ
定価400円(本体364円)
今月の作者インタビュー
あらすじ
ありたは初めてのお使いに出かけます。市場にはいろんなものがあるけれど、
きちんと買い物できるかな? 読み取りが楽しいお話。
おはなしひかりのくに 6月号 作家/画家
古川裕子 先生
- Q1.
この話を思いついたきっかけはなんですか?
- A1.
私の小さい頃は、どこの地方にも長い商店街があり、乾物屋、くつ屋、かさ屋、時計屋、果物屋、とうふ屋、手芸屋、古びた喫茶店など、小さいながらも、とても魅力的なお店がたくさん並んでいました。そして店の人も無愛想だったり、とびきりおしゃべりだったり、おせじ上手だったりと、個性的な人が多かったように思います。でもここ20−30年、大型ショッピングモールができてからは、私の住む和歌山も、沖縄や九州、淡路島なんかも、一店、また一店と店を閉め、商店街は消えていってしまいます。それを本当に残念だなあと思っていたのが、この本を描くに至ったきっかけです。
- Q2.
描いていて大変だったところは?
- A2.
とにかく、細かかったですね。昆虫と言っても擬人化しているので、この昆虫だったら嬉しい時は触角をぴんっと立てるだろうなあ…とか、この昆虫だったら好きなアイスクリームはバニラ味かな? など考えていると、どうしても「だいたいでいいや」という気持ちにはなれず、すみずみまでキッチリ描くことになり、手の感覚がなくなり手がブラブラするほど、大変でした。
- Q3.
楽しかったところは?
- A3.
「楽し、苦し」ですが、やはり楽しかったところも絵が細かかったところですね。私は小さい時から昆虫が大好きだったので、これだけたくさん、思う存分好きなものを描けたのは幸せでした。昆虫を見るたびに感動するのですが、昆虫の体つきや色などは、本当に自然の中で適応していくようにできています。例えばこの本に出てくるルリボシカミキリなどは美しいブルーで、とても目立つのですが、何と雑木林の中で光と影の中に入ってしまうと、まるっきり居場所がわからなくなってしまうのです。自然はよくできているなあ…と感心してしまいます。
- Q4.
好きなキャラクターは?
- A4.
こがね虫のおじいちゃんと、ビキニを買ったアカスジカメムシです。
- Q5.
制作中、印象深いエピソードはありますか?
- A5.
この本を描いていた時期は、何だか特にたくさんの虫の種類が、うちの家の庭に出没した気がします。「私も絵本に登場させてくださいよ…」なんて言っていたのかなあ…。
- Q6.
子どもたちや先生へ、メッセージをお願いします。
- A6.
ここに登場する草花や昆虫たちは、ちょっと見回せば、すぐ身近で見つけられるものばかりです。これから夏、昆虫たちもいちばん生き生きとしてくる季節です。畑の葉っぱをめくったり、朽ち木をちょっと崩したりして、かわいい昆虫たちをそっと見つけてみてください。
※このページで取り上げた絵本は書店では取り扱っておりません。
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